痛みや温度などを脳に伝える知覚神経と、顔の筋肉や手足の筋肉などを自分の意志で動かすことができる運動神経を合わせて体性神経系と呼びます。
これと対照して自分の意志で動かすことのできない、心臓や血管、内臓に分布している神経を「自律神経系」と言います。またこの神経系は心拍、呼吸、胃腸の動き、血圧、発汗や体温調節、内分泌機能、生殖機能及び代謝など、自分が意識しなくとも生命活動を維持してくれる神経系でもあります。
自律神経系は交感神経と副交感神経の2つの神経系から成りたっています。一般的にはひとつの臓器には拮抗的に働くしくみがあります。交感神経が優位なら副交感神経は劣勢になります。

仕組みとしては、自律神経はその末端から支配器官に興奮を伝達するために化学伝達物質を放出し、器官の活動を調節しています。
交感神経の末端からはノルアドレナリンが放出されています。(アドレナリン作動性神経)
副交感神経の末端からはアセチルコリンが放出されています。(コリン作動性神経)

(図アドレナリン作動性神経/コリン作動性神経参照)

交感神経系の役割は、本来、外敵から身を守る為に「闘争か逃走」ができる状態にすることです。 
交感神経系は季節や時間帯、気圧などにも影響されます。
季節(秋から冬にかけて) 気圧(高気圧) 時間帯(昼間)

1 逃走や闘争をしやすくする為、気道を拡張し酸素を取り込みやすくする
2 激しい運動に備え、心拍数の増加から血液の出量が増加し、血圧も上昇する
3 末梢血管の収縮が起り、出血が起こりにくい状態にする
4 筋肉に配給される血液量が増える為、胃腸などの血液量が減少し活動が抑制される
5 アドレナリン受容体を持つ顆粒球が増加する
6 副腎髄質からアドレナリンが分泌し血糖を高めて筋肉の活動をしやすくする
7 敵を凝視できるように瞳孔が拡大
8 尿を溜められるように膀胱は弛緩する

 副交感神経は、本来、休息時になると活性化し、交感神経の「活動」とは逆の「休養」としての働きをし、身体の栄養補給に努めます。
副交感神経系もまた季節や時間帯、気圧などにも影響されます。
季節(春から夏にかけて) 気圧(低気圧) 時間帯(夜間)

1 一般に血管が拡張する為、血圧が下がる
2 消化管の血液量が増し、消化液の分泌も促進、胃腸の蠕動運動が活発になる
3 アセチルコリン受容体を持つリンパ球が増加する
4 筋肉などの活動が低下している為、酸素消費が少なくすみ、気道を収縮
5 心拍数の低下
6 瞳孔の収縮
7 尿を排出できるよう膀胱が収縮する


※自律神経系はホルモンによる調節機構である内分泌系、病気や怪我などを治す免疫系の二つと常に関連していて「ホメオスタシスの三角形」と呼ばれています。