アロマセラピー

近年、化学薬剤を使用せずに自らの免疫力を上げたり、自然の物質を取り入れることで健康を維持したり回復していこうという自然療法が行われるようになってきました。その自然療法の一つに植物療法があります。これは植物の力を借りて健康になろうという療法で、漢方などはよく知られています。その植物療法の中に位置する「芳香療法」と訳されるのがアロマセラピーです。具体的には鼻から入った香りの情報を取り入れ、心や脳に働きかけて心身共にリラックスさせることで自律神経の調整や免疫系の正常化、ホルモン系の調整などを行うことができます。それにより健康を取り戻したり、維持することがアロマセラピーの目的の一つになります。

もう少し詳しく言えば、これら芳香成分は鼻の嗅覚神経を通って脳にある嗅脳と呼ばれる原始的な脳に伝えられます。人では嗅覚情報は嗅神経により嗅球→嗅索(神経の束)を経て梨状皮質を通過し、海馬(記憶に関連)や扁桃体(感情に関連)などの大脳辺縁系を刺激します。
香りの情報はこのルートを通る為に他の脳の部分も刺激していきます。例えば梨状皮質を通過するので、それに覆い被さるように発達した大脳新皮質も刺激します。また大脳辺縁系に包まれるように位置する間脳の視床下部や脳下垂体も刺激します。

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アロマセラピーのもう一つの大切な側面にアロママッサージがあります。意外にその意味と目的は知っているようで知られていないものです。筋肉をほぐす技術や骨や関節を調整する技術、痛みを取る技術など、これらの方法は今日では多種多様で世界を見渡しても数多く存在します。多分、マッサージを受けたいと思う方の中にはリラクセーションマッサージや治療的マッサージ、美容系マッサージ等、すべて同じだと考えられていたり、「凝っているから強くしなければ効かない」と思いこみ、事態をより一層悪化させてしまう方もみえると思います。ここではアロマセラピーで行うリンパ系マッサージやリラクセーションの有用性について簡単に書いていきます。

本来、アロママッサージは治療系マッサージと美容系マッサージ(エステなど)の中間に位置します。病気ではないが「疲れやすい」「やる気が出ない」「浮腫む」など、体調の優れない場合に役立ちます。昔からタッチング(触れる)による癒しは行われていました。子供の頃、お腹が痛くなってもお母さんがお腹を擦ってくれただけで治ってしまった経験はありませんか?触覚は生物にとって一番原始的な感覚です。「触れられることで癒される」「そばに寄り添ってくれるだけで心身の苦痛が和らぐ」など、タッチングによる癒し効果は多くの方が体験されていると思います。アロマトリートメントは指先(点)よりも掌(面)で触れることが多く、強い圧よりも優しく擦るような手技が多いので、身体だけではなく心も癒します。「凝っているから強くしなければ効かない」との思い込みは、人によっては事態を悪化させると書きましたが、明らかに強くほぐさなければならない場合ももちろんあるでしょう。しかし例えばストレスなどが原因で交感神経の緊張状態がつづいて筋肉まで凝り固まってしまったという人が、そこへ「ガンガン強く刺激を与える」ことだけを続ければ、身体はそれ事態をストレスと判断し、前にも増して筋肉を緊張状態にするのではないでしょうか?よりストレスをかけることで交感神経の更なる緊張→交感神経末端からノルアドレナリン→副腎髄質からアドレナリンが放出されます。また視床下部→下垂体→副腎皮質(コルチコイド/コルチゾ−ルなど)ホルモンが体中で駆け巡り、常に身体を交感神経優位な状態にしてしまいます。これにより、より一層強い刺激(ストレス)でないと効かなくなる恐れがあり、病気を治癒させる免疫系にまで悪影響を与えることになります。強く揉みほぐすことも大切なことだとは思いますが、最低限このようなことは頭に入れておくべきではないでしょうか?

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アロママッサージはリンパや静脈に働きかけるマッサージの手技が多く、循環を促進し、自律神経の調整、免疫系の働きを高めることもできます。

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何故そのようなことが可能かと言えば、常に忙しい方やストレスが多い方などは交感神経が優位な状態で、免疫系も顆粒球が優位な状態にあります。アロママッサージだけではなく、先程述べた「擦る/触れる」などのタッチングセラピーは、その行為から副交感神経を優位に導く可能性があります。そうなれば免疫系もリンパ球などが優勢になり、自律神経/内分泌系/免疫系を正常な状態にして健康な心身を回復させることに繋がります。

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また、植物の芳香成分は分子がとても小さく、表皮を通過して真皮層にまで到達できます。その後、血中に入り、体内を循環してそれぞれの植物のもっている有用性を発揮します。こういった特徴を用いてオイルマッサージとしてとりいれたのがアロマセラピーで行うアロママッサージです。